金・銀・銅工芸品
伝統的工芸品
一定の地域で主に伝統的な技術または技法等を用いて製造される伝統的な工芸品のことです。
1974年(昭和49年)『伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)』の公布により
通産大臣は伝統的工芸品を指定することになった。
伝統工芸品は全国で174品目(平成3年)が指定され
このうち石川県では山中漆器・輪島塗・金沢漆器・九谷焼・加賀友禅・
金沢箔・金沢仏壇・七尾仏壇・牛首紬・加賀刺繍の10品目が該当している。
企業数、年生産額とも京都府に次いで全国2位である。
さらに石川県では伝産法の指定対象外の工芸品について
国の指定要件に準じた石川県伝統工芸品の指定を行った。
和紙・美川仏壇・桐工芸・桧細工・珠洲焼・加賀毛針の6業種である。
このほか石川県の伝統工芸品で未指定のものとして、
能登上布・大樋焼・加賀象嵌・茶の湯釜・鶴来打刃物・
木彫・加賀竿・竹細工・金沢和傘・加賀提灯・
金沢表具・郷土玩具・加賀水引細工・琴・三弦・
太鼓・銅鑼・七尾和ろうそく・手捺型彫刻・かつらかもじ・能登花火がある。


加賀象嵌
木材にも漆にも焼き物にも象嵌する方法は行われていますが、
金属の象嵌はその代表的の物であります。
象嵌は古代ギリシャ、ローマ時代からある技術で、
支那、朝鮮を経て日本に伝わってきました。
特に朝鮮では昔から象嵌の国と云われた程でしたが、
現在では金属の象嵌技術は他の国は皆、滅びてしまい日本だけになりました。
金属象嵌には高象嵌・平象嵌・布目象嵌などいろいろな手法があります。
加賀象嵌とはこの中の平象嵌の事です。
かつては高象嵌や布目象嵌あるいは色絵象嵌をする技術者はおりましたが、
東京や京都に技術的に一歩譲らなければなりませんでした。
ただ平象嵌のみは断然優秀さをもっていたので、
平象嵌を加賀象嵌と世間では呼ぶようになったのです。
室町時代からの彫金の家柄として著名な後藤家が
藩主前田家の御用ををうけ調度品や装剣小道具の製作を行い、
また加賀藩細工所で職人の指導に当たった。
その彫金技術の鉄地の台に毛彫りの部分に
金、銀四分の一、赤銅などの材質を嵌め込む平象嵌の技術をさらに一歩進め毛彫りする場合、
彫った表面より彫り下げた底の部分を広くし、
その穴の部分に金銀などを打ち込むと底の部分に広がって打ち込んだ材質が絶対に抜けないという特殊な技術、
しかも文様の細線や点を全部この技術を使い行うことが特色です。
江戸時代前期頃加賀藩細工所で確立されました。





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